くに

くに
I
くに【国・邦】
(1)一つの政府に治められている地域。 国家。 国土。

「~を治める」

(2)地域。 地方。

「北の~」

(3)(地方自治体に対して)中央政府。

「~から県に管轄が移る」

(4)古代から近世に至る日本の行政単位の一。 大化の改新の国郡制によって定められ, 明治維新後郡県制に変更された。

「武蔵の~」

(5)自分の生まれ育った所。 故郷。 郷里。

「何年ぶりかで~に帰る」

(6)任国。 領国。 知行所。

「紀の守~に下(クダ)り/源氏(空蝉)」

(7)任国を治めること。 国務。

「国司くだりて~の沙汰どもあるに/宇治拾遺 3」

(8)(天に対して)地。 大地。

「天の壁(カキ)立つ極み, ~の退(ソ)き立つ限り/祝詞(祈年祭)」

(9)国の統治者。 天皇の位。 また, その政務。

「御~譲らむこと近くなり侍るを/宇津保(国譲中)」

(10)国{(4)}ごとにおかれた地方行政府。

「~に告げたれども, 国の司(ツカサ)まうでとぶらふにも/竹取」

(11)国府。
~に杖(ツエ)つく
〔礼記(王制)「七十杖於国」〕
七〇歳。
~に二君なし
一国の統治者は一人であるべきだ。
~に盗人(ヌスビト)、家に鼠(ネズミ)
物事の中には必ず自らを害するものがひそんでいるということのたとえ。
~破れて山河(サンガ)あり
〔杜甫「春望」より〕
国家は滅亡して往時の面影はないが, 山河だけは昔のままである。
~を売・る
自分の利益と引きかえに, 敵国のために自国に不利益となる行為をする。
II
くに【垢膩】
あかとあぶら。 あかやあぶらのよごれ。 こうじ。

「~の垢づける衣あり/謡曲・卒都婆小町」

III
くに【訓】
「くん(訓)」に同じ。

「ひとたびは~, 一たびは音(コエ)に読ませて/宇津保(蔵開中)」

〔「くん」の「ん」を「に」で表記したもの〕

Japanese explanatory dictionaries. 2013.

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